琵琶湖底の堆積物噴出活発化 [ニュース記事]

琵琶湖底の堆積物噴出活発化

高島市沖の琵琶湖の最深部で、湖底から堆積(たい・せき)物が噴き上がる現象が活発化している。
近畿地方を震源とした地震の予兆の可能性を指摘する専門家もいる。


県琵琶湖環境科学研究センター環境情報統括員の熊谷道夫さん(60)らによる自律型潜水ロボット「淡探(たん・たん)」を使った湖底の調査では、2009年から噴き上がる場所の数や大きさが増し、付近のにごりも増しているという。


熊谷さんが着目するのは、湖底から1メートルと1.5メートルの場所での水温の比較で、08年ごろから湖底に近いほど高い現象が目立つようになった。
「地中の熱が水中に伝わっているためで、水温の差が大きい場所で地下水やガスの噴出が起きているのではないか。
25年にわたる湖底観察で初めての現象だ」と話す。


元東京大学地震研究所准教授の佃為成さんは地殻変動の影響を指摘する。
この地域は、地殻変動による「ひずみ」が蓄積した「新潟―神戸ひずみ集中帯」の一部で、同集中帯では1995年の阪神大震災や04年の新潟県中越地震などが起きた。
02年以降、琵琶湖から神戸にかけてひずみの変動が大きくなっているデータもあるうえ、高島市から大津市にかけての内陸部には琵琶湖西岸断層帯がある。
佃さんは「(噴き上げ現象が)大地震の準備過程を意味する可能性を念頭に置いて防災態勢を急ぐべきだ」と話す。


元京都大学総長で地震学が専門の尾池和夫・国際高等研究所長は「現時点では、湖底の現象を地震の前兆に結びつける判断はできないが、さまざまな異常現象を集めておくことは地震の前兆現象の研究にとっても大事なことだ」と話す。

2012年01月20日
朝日新聞

http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000001201200001
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